今日の書・9〜暗殺文書

ここ数日二転三転していた「ケネディ暗殺文書」の公開する・しない問題でしたが、日本時間の今朝、トランプ大統領によってなされたツイートによって、新たな動きが見られました。
今回のツイートはテキストでの呟きではなく、上記のような画像を貼るだけのものだったのですが、これは検索に引っ掛からないことを目的としたのかもしれませんし、あるいは単純に文字数が140レターを超えるため、このような形式にしたのかもしれませんが、いずれにせよ普通の方式ではないところを見ても、裏で何かしら揉め事が起こりつつあって、それに対する牽制的な意味合いもあるのではないかと思われます。
ちなみにこの画像に付された文章を意訳してみますと、「ケリー首席補佐官、CIAならびに諸関係当局との慎重な話し合いの結果、文書内で言及されており、現在存命中であるすべての人物の氏名および住所を除いて、JFK文書を全公開する方向で目下動いている。私はこれを、完全な情報公開および透明性を理由として、またすべてのあらゆる陰謀論に終止符を打つために行うものである。アメリカ大統領、ドナルド・J・トランプ。」といった感じになるでしょうか。

これまでの経緯をざっくりと説明すると、1963年11月22日に発生した、J・F・ケネディ大統領暗殺事件に関する機密情報が長きに渡り公開されてこなかったものを、今回トランプ大統領が公開しようとし、10月25日時点のツイートでは「長年の懸案事項であったJFK文書が明日公開されることになった。とても興味深いぞ!」と書いていたものが、26日当日、蓋を開けてみると、それまで非公開であったり、黒塗りなどがあって不十分だったりした文書のある程度は公開されたものの、いまだ300件余りの文書については、CIAやFBI等の関係当局からの要請もあり、ある意味での米国版「忖度」の結果、非公開という処置が取られ、それについて不満の声が大きく上がり、トランプ大統領自身も「遺憾の意」ではないけれども、いくつかの追加条件(半年以内に、その特定情報について公開できない由をまとめ上げ、その事由に関する審査を受けるというような要求)を関係当局に提示することによって、段階的な情報公開を完遂させようという方向で動いている、というような話で昨日27日時点では終わっていましたが、28日の明け方(現地時刻では27日午後)、改めて上掲のようなツイートがトランプ大統領のツイッターアカウントより発信され、より積極的に、あるいは当局側の保身的要請を無視する形で動こうという方向で動き出している、というように推察されることかと思われます。

僕は毎度のごとく、この「ケネディ暗殺事件」について特別な興味があったわけでないですし、今回話題に上がっていたため、おそらくほとんど初めて、ケネディ大統領の暗殺時の映像などを観てみたわけですが、まぁデジタルリマスター版というか、当時のフィルム映像を大分綺麗に解像度を上げたものを観れたのですが、それでもあの時車の上でどのようなことが起こっていたのか、については漠然としたことしか分かりませんでした。
巷では、さまざまな陰謀論めいたことが囁かれていて、それについても特に知っていたわけでもないので、チラッと見ただけですが、それでも今回のCIAやFBIの対応は、何かしら彼らの関与を疑わせるような素振りとしてこの目に映ったりもして、まことしやかに語り継がれている都市伝説的な内容にもいよいよ信憑性が増して来ていて、「公開してもアウト、公開しなくてもアウト」という完全な負け戦の様子を呈してきてはいますが、それでも先に試訳したトランプ大統領のツイートを照らし合わせると、そういった庶民の間に跋扈する陰謀論を払拭させられるような内容しか書かれていない、という可能性もトランプ大統領の発言を信じるのであれば大きくなっているようにも思えるし、ならばそのもう少し前のツイートで、「興味深い」と述べたのは何に対して、またどのような意図を持って書いたのだ、という疑問も湧いてきて、ますます混乱して来る部分もあります。
残った文書について、個人情報に抵触する部分以外を完全公開しても、何ら問題がないとトランプ大統領が考えているのであれば、独断でそれを公開に踏み切るという流れも出て来るかもしれませんが、そうすると、またしても「暗殺」者の魔の手がすっと伸びて来るようなこともあり得るかもしれないし、色々と予断を許さない状況になるのは確かのように思われます。

ともあれ、仮にその文書が公開されたとして、やはり50年以上前の事件ではありますし、それに関与した当事者である人間もあらかた居なくなっているようにも思えるし、そもそもたしかにあの事件は現代史上の一大事件ではありますが、だからこそもはや歴史の新解釈や新説を与える程度の意味合いしかなくなっていて、一部の好事家がそれを知って喜ぶだけで、その事件をリアルタイムで知らないような世代にとっては、仮にCIAが関わっていたからと言って、改めてスキャンダルとしてああだこうだ持ち上げるかというと、仮にアメリカ人であったとしても、普通の一般人であれば、へぇーそうなんだと思いこそすれ、そこまで気乗りしないのではないかと個人的には思うし、そこからCIAやFBIへの不信感が増すかというと、ほとんど変わらないというか、もしその完全公開された部分の文書がCIA他の潔白を証明するものであったとしても、そういったものを日夜妄想して暮らしている陰謀論者たちの嗜好を覆すことは出来ないだろう、というのと同じくらい、個人の思考パターンに対して何かしらの影響を持ち得ないだろうことは想像に難くありません。

そういった話はさておき、本日はトランプ大統領に代わって、この貘宇が、アメリカ合衆国よりも徹底した透明性でもって、「暗殺文書」を一足早く完全公開させていただきました。←
明日のネタはもうすでに出来たので、実を言うと今日のついでに一筆書いてしまっているのですが(ある意味、「今日の書」の定義からすると禁じ手のようにも思えますが、わりかし良く書けた気もするので、お許しください(笑))、明日の更新を是非お待ちいただければ幸いです。

揮毫 貘宇

ドルヲタ系書家(仮)・永田貘宇のホームページです。 日記代わりに書作品を投稿しています。 作品製作の依頼等お待ちしております。

0コメント

  • 1000 / 1000