今日の書・13〜初日

まゆゆこと渡辺麻友の卒業コンサート(必ずしも終了後即卒業したというわけではないのですが)が終わって1日経ち、ネットニュースなどで当日の映像などが見られるようになったので、ちょっとチェックしてみたのですが、やはり一回こっきりの大箱ライブというのは色んな想いが細部にまで込められていて、48Gでは最近なかなか開く機会が減って行っていて、総選挙関連か、こういった卒業関連でしかお目にかかれない状態になっていますが、そういうグループ全体で一丸となって何か大きなものを作り上げようとする姿勢は、それを目にするだけでも心にグッとくるものがあるし、これこそ大所帯グループの真価の見せ所だという感じもして、運営的には色々な懸案事項、スケジューリングの難しさ、そして昨今大きな問題となりつつある、コンサートを行う箱自体の手配の厳しさといったものが付き纏ってくるのかもしれませんが、それでもなお、AKB48グループはまだまだ沈まないぞという意志を示すためにも、半年に一度くらいは継続的に開ける状態を保って欲しいですし、全国ツアーも年一回程度は維持できるように、企業努力を続けて行かなくてはならないと、僕だけじゃなく多くのAKBGファンの望むところであって、支店レベルではツアーをやっているところもあるのに、本店がそれを出来ないというのも何ともおかしな話で、昨日取り上げた「若手選抜」を見ても深刻な戦力不足の感は否めませんが、NGTやSTUは単独ツアーがまだ難しい状況であったりするし、そことの協力関係を強めれば、本店主体でのコンサートツアーも不可能ではないように思えて、運営側もどこかで折れてそういう方向に早く動いてくれることを祈っているのですが、まぁともかくオリジナルのセットリストで、興奮や驚きや感動を与えてくれる、こういった大箱コンサートはファン歴が深まるほど楽めるものなんだろうなと思って、僕もこれからもっと参戦したいなと思うところではあります(今回のコンサートは現地でもスカパーでも観ることはなかったのですが、推しメンの本間日陽さんが出るらしいと本番数日前くらいから匂わせ出して、ちょっとこの目で見たいという気持ちが芽生え、LV(ライブビューイング)でもやってないかと調べたところ、今回は実施していなかったのですが、今年の頭、東京ドームシティホールで行われていた各種コンサート(NGT48やAKB48 16期生の単独コンサート、チーム8人気メンバーのソロコンサートなど)のときは全公演で規模の差はあれどLVでも観られていたので、少し不思議に思う部分もあって、色々考えるとそれだけこのグループの深刻さに触れてしまいそうだったので、とりあえず今はその事実だけお伝えしておきます)。
それで、この「まゆゆ卒コン」のハイライトと言うと、オープニングでまゆゆが『初日』を、会場全体に溢れる青いペンライトの光を前に、目に涙を浮かべながらソロで歌い上げたシーン、またアンコールで旧チームBのOGを含めて円陣を組んだ後、2度目の『初日』を今度は昔馴染みのメンバーと一緒に歌い踊ったシーン、というこの2つの『初日』が多くの観衆の印象に残ったようだったので、今日はその「初日」を書にしてみました(ちなみに上の動画の後半にアンコールでの『初日』の映像が映っていますが、このチームBの円陣での掛け声が「いつも 感謝 冷静に 丁寧に 正確に みんなの夢が叶いますように AKB チームB!」となっていて、本卒業コンサートのサブタイトルはここから来ていたのだと、この動画を視聴して初めて知った、ということをここで報告しておきます(苦笑))。

この『初日』という曲は、チームBの初のオリジナル公演であった『パジャマドライブ』の1曲目に置かれた曲で、それ以降、様々なグループの様々なチームがこの『パジャマドライブ』公演を披露してきて、AKB48の隠れたマスターピースというか、おそらく研究生含め加入したほとんどのメンバーが一度は踊る楽曲となっていて、48グループの教材的な曲として、誰しもに入りたての記憶と紐付けされた、それぞれに思い入れのある一曲となっているようです。
僕は基本的にNGT48ファンであって、それ自体まだ2年弱くらいなものなので、AKBGの昔の曲もシングル・アルバム辺りはひと通り聴いてみましたが、過去の公演曲などはまだチェック出来ていない部分もあって、知識量は少ないのですが、それでもNGT48の最初の公演演目がこの『パジャマドライブ』であったのもあって、『初日』という曲に耳馴染みはあるし、よっぽどの日の浅いファンでない限り、やはりファンの側でも一度は耳にすることになる曲なのだと思います。

特に最近で言うと、例のNGT48・荻野由佳さんが「第2回ドラフト会議」のオーディションにおいて自ら選曲してパフォーマンスを披露した曲でもあるということで、この間、10月8日の「総選挙感謝祭ランクインコンサート(選抜メンバーの部)」の荻野さんをフィーチャーした時間でも、この『初日』が、彼女のこれまでの苦労の歴史を繙きつつ、5位という結果に至るまでの原点として、大舞台で歌われていたので、僕やNGTファンの中では多分もう「荻野さんの曲」みたいな位置付けになっちゃってたりするところもあったりします。
もう10年近く昔の曲であるし、AKB48がそこまで大きくなく、多分支店もまだなくて、劇場公演を毎日ひたすら必死にこなしている、というような地下アイドル真っ盛りの時代の曲であるので、今聴くとアレンジ面だったり、コードやメロディー自体もちょっと古臭く素朴で、有り体に言えばありきたりなアイドルソングという印象は拭えないのですが、それでもいまだにメンバーやファンに支持され、こういった節目節目で取り上げられたり、大箱コンサートのセトリに入ったりするのは、ひとえにこの『初日』の歌詞に、様々なメンバーたちの色々な想いが載せられて来た、その長い歴史がこの一曲に潜んでいる、というのがその理由の一番大きな部分だと思われます。
※例のごとく、歌詞の直接引用は色々問題があるので、全貌はリンク先をご覧ください。

初期楽曲であることもあって、かなり分かりやすい詞となっていて、「汗をかいて努力した分、夢に手が届く」という、言わば例の「努力は必ず報われる」のプロトタイプとも言えそうな理想論を夢見るアイドルたちに諭すような、そして同時に鼓舞させるような内容になっていると思います。
AKB48Gは常設劇場を持つという性質上、スポ根的な気質も強く、見えない部分、幕の裏側で日々努力と研鑽を続けてるんだ、というそこに美徳があり、その中で頭角を現して行けば、その先活動の幅が広がって、劇場に出ていられないくらいの芸能人的地位に上っていける、という成功モデルで成り立っているらしいので、大抵のメンバーにとって活動の原点はこの劇場という空間、公演に明け暮れた日々、ということになって、この『初日』を聴くだけで、その辛く楽しく額に汗した想い出が蘇るのだと思いますが、そのAKBの原風景的な情景を一連の歌詞の中にうまく封じ込められたことで、ここまで息の長い曲として、歌い継がれ愛され続けてきたのでしょう。

この歌詞の中には一度も「初日」という言葉が登場しておらず、Aメロで状況設定する中で、その「初日」の幕が上がる瞬間の雰囲気を醸し出してるところはちょっとシャレているように思えるし、その後、自分たちがその場に立つまで経験してきたアレコレに対し走馬灯的に想いを馳せたり、あるいはもっとクリティカルな部分として、「先輩たちには負けたくないよ 絶対に/私たちのショーを作りたかった」というフレーズにそのチーム内だけではなく、もっと広い意味での歴史性が忍ばせてあって、そこから新陳代謝を繰り返すアイドルグループの一員である各々のための普遍性が設けられているのだと、今改めて(あるいは初めてじっくり)歌詞を読んでみて納得されました。

サビやブリッジでは標語的な文言が並んでいますが、そこへ至る導入部分がちょっとセンチメンタルだったり、大きな物語性を呼び覚ますものであったりして、誰もが思い当たる節のあることが語られていて、熱心なメンバーであればあるほど感情移入してしまうのは分かるし、まゆゆのようなある種の優等生的アイドルであれば、教義代わりにこの歌詞を常に頭の片隅に置いていたり、それほど心酔していたとしてもおかしくないし、卒業コンサートという自身のアイドル人生において最も重大なイベントで2度も歌ったのも頷けて、その意味をやはり残された後輩メンバーたちは汲み取るべきだと僕は思います(今ふと気付いたのですが、この歌詞世界において、オープニングとアンコールの情景が同時に描かれていて、もしかしたらまゆゆはそれを踏まえて、卒コンのオープニングとアンコールにこの『初日』を持ってくるという、粋な計らいをしたのではないかと思ったのですが、どうでしょう?仮にそういう意図があったとしたら、僕くらいにしか伝わらなかったかもしれませんね←)。

ともあれ、今日、霜月ついたち、いわば「初日」に『初日』について語り、「初日」と書かせていただきました。
今月は現推しメンの誕生日が2回控えているので、楽しみな月ではありますし、出来ればこのひと月、毎日更新を続けられればな、と思っています。
皆さまにとっても良きひと月となりますようお祈りしつつ、本日はこれで締めることとしましょう。

揮毫 貘宇

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