今日の書・3〜ラストアイドル
今日は、衆議院総選挙があったり、台風が来ていたり、世の中的には色々とあった日だったかもしれませんが、僕は期日前投票もしてあったので、基本自宅にこもって音楽を聴くなどして過ごしていました。
それで、今日のテーマですが、皆さんご存知でしょうか、「ラストアイドル」。
毎週土曜日の深夜に放送されているバラエティー番組で、アイドルのバトルロワイヤルみたいな感じで、「ラストアイドル」という名(最終的に変わるかもしれませんが)のアイドルグループの暫定メンバーに対し、挑戦者のアイドル志望の女の子がタイマン勝負を挑み、それを審査員がジャッジして、メンバーが入れ替わっていき、最後に残ったメンバーでアイドルとしてメジャーデビューする、という趣向のテレビ番組です。
僕は、在住地域では一週分ずつくらい遅れていることもあって、某所で視聴しているのですが、それはさておき最初からほとんどの回を観続けています。
それで、昨日の夜中もちょうど放送日だったわけですが、その放送回の内容に対してプチ炎上のようなことが起こったようで、今回こうして取り上げることにしました。
その炎上状況ですが、毎度のごとく、暫定メンバーの一人に対して、挑戦者が勝負を仕掛け、それに対してプロインタビュアーの吉田豪氏が下した勝敗について、文句や議論が巻き起こった、という話です。
この番組のジャッジは少し特殊な形態を採っており、一応審査員団として毎週4人、アイドル界隈に知見のある、作詞家、作曲家、アーティスト、シンガーソングライター、アイドルライターなどなど様々な畑から選出された著名人が招聘され、その場にいる審査員の中から各対決ごとに1名が「何らかの方法で」指名され、その個人の独断と偏見で勝者が決定される、という風になっています。
まず、アイドル同士の対決というのが妙に生温い感じで、審査員4名+一般観覧者数十名の衆人環視の前で、それぞれの好みの曲を歌と踊り付きで披露する、というもので、まぁこのパートはどうにも見るに耐えないところもあって、ほとんど素人に近い子が電波を占拠して、ひたすら拙い歌唱とダンスが垂れ流されるわけで、なかなかふとチャンネルを変えた人にとっては、すぐに切り替えさせてしまうような時間になってしまっていると個人的には思います。←
そもそもが、その一曲だけでは悪い意味で甲乙付けがたいし、必ずしも歌やダンスの上手さがアイドルにとって必要かという問題もあって、確信を持ってジャッジを下すだけの根拠を審査員ならびに視聴者に対して与えられるようなものとはなっていないわけです。
そういう通り一遍なアピールよりも、個人個人の特性を示せるような、自由なアピールタイムとして、もちろんその子が得意なのであれば歌や踊りを披露するのでもいいですが、実際そうでもない、という子がいるならば、それ以外の手段、ヲタ釣りの技術だったり、ロンダートが出来るであったり、何かしらアイドルとしての将来性を予感させられるような一芸入試的なアプローチで、自己PRをさせる方が良いのではないかと、傍目には思えてなりません。
で、根本的にそういう不備のある番組だから、視聴者としても結局出場者のビジュアル第一で好悪を判断する部分が大きくなってしまい、そのせいで今回の炎上という、悲劇が起こってしまうことになりました。
何故「悲劇」なのかと言うと、今回の審査員代表に選ばれた吉田豪氏は挑戦者側に軍配を上げたわけですが、その火付け側の意見としては、その勝者の方が敗者よりビジュアル的に劣っていて、その決定に納得いかない、というのが大勢となっているからです。
また、特に勝敗の確定後に、代表者以外の仮のジャッジも明らかにされるのですが、その結果は残り3人がすべて暫定メンバーを選んでいた、という事実も彼らの主張に拍車をかけていました。
実を言うと僕はこの回をまだ視聴していないのですが、対決した2人のキャプ画を見た限りではたしかにまぁどちらかと言うと負けた子の方が可愛いかな、という感想は持ちました。
吉田豪氏が提示した判定理由というのも又聞きではありますが、番組的な面白さを考えて、暫定メンバーを負けさせることで、今後の展開、特にもうそろそろワンクールが終わりそうなので、そういう佳境に差し掛かっている、というテレビ的な流れの中で、そっちを選んだ、みたいにも取れるようなことを言っていた、というような話でもあるらしいと聞きます。
僕的には、吉田氏の決定は決定で覆しようがないし、理由がどうであれ、あの短時間でどんぐりの背比べに勝敗を付けろ、ということの難しさも鑑みると、また別の判断基準を持ち出すというのも無理からんことではないかと思います。
そもそも、これ以前の回でもやっぱり納得の行かないジャッジは何度かあったし、それもどれもこれもこの番組システムの至らなさに端を発していると僕の中では結論付けられました。
特に、何となく審査員の中で蔓延していた空気として、それなりの期間見守って来ている暫定メンバーの方を贔屓目に見てしまい、挑戦者の方を自分が目を掛けている子への外敵のように捉えていて、そういうバイアスが自然とかかってそれが判定やその理由にも影響を如実に与えている、というような雰囲気があったわけで、おそらく吉田豪氏もそういう流れを単純に面白くないと思って見ていたのではないかという気がします。
それがつまり氏の考える番組的な面白さであって、回が増すごとに本来予想されていたような、アイドルを直接的に競い合わせることで巻き起こるドラマであったり、相手を蹴落とそうとする必死さや人間同士の間で沸々と蠢く厭らしさを浮き彫りに出来るんじゃないか、という楽しみが損なわれるような、審査員の間で凝り固まってしまった固定観念にがっちりと守られた、見る前から分かりきってる結果、みたいな全くエンターテイメントとはかけ離れたものの臭いが鼻に付くようになっていた、そこに一石を投じる結果になったのだと思います。
だから、と言うべきか、僕は前から審査員の方の選出も結構問題だなと思っていて、特にあからさまに身内贔屓のひどい人は番組の趣旨に合わないと呼ぶべきではないし、あるいはそもそも将来の採算性を念頭に置くならば、著名人に選ばせるのではなくて、全くアイドルなんか知らない人に意見を募ったり、あるいはディープなアイドルヲタクとして様々な現場に足繁く通っている人たちに、自分ならどちらの子を応援したいか、もっと具体的にどちらの子により多くの金銭を落としたいか、という基準でメンバーを取捨選別させる方が、後々、この番組が終焉を迎えて、そこで遺された「ラストアイドル(仮)」が自立的に活動を継続していく上で、アドバンテージを得られるんじゃないかと、僕は感じています。
まぁ、これだけ長々と書いては来ましたが、今の暫定メンバーを見ると、僕自身のアイドルヲタクとしての食指はほとんど動かされない、というのも実情です(笑)
ただ一人、古賀哉子さんという方は番組に登場した時から気になっていて、本当にギリギリのところで勝ち上がって、いまだに生き残ってくれているので、今のところ応援していますが、彼女が今後どこかの時点で敗退することになったら、その最後の興味もなくなってしまうかもしれません。←
そもそもが立ち位置7番というのもちょっと残念に思っていて、これはその挑戦者として勝負を掛けた相手の立ち位置にそっくりそのまま入れ替わるというシステムであるから、仕方ないのかもしれませんが、最終的に全体のバランスを見て並び替えるということがあってもいいかなとも思って、多少楽しみにもしています。
とにかく、残り何回かは分かりませんが、古賀さんには残って欲しいし、それ以外にもまた新たな人材が加入して、グループとしての新陳代謝がなされればいいなと思います。
まだ目玉として、既存の大手アイドルからの刺客、みたいなブックも残されているかもしれないし、そういう新展開がこの「ラストアイドル」という番組、ならびにアイドルグループとしての「ラストアイドル」の勢いと盛り上がりに一役買うことになるだろうと、何が起こるか心待ちにして観ることにします。
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