今日の書・4〜支持政党なし
実を言うと、昨日のブログを書いていた時点で、衆議院総選挙の開票結果はほぼほぼ分かっていたのですが、別の題材があったため、スルーしていました。
それで、一夜明けて今日はその選挙結果についてあれこれと新聞・テレビ・Webニュース等々で報道や議論がなされていたようで、僕も見るとはなしに見聞きしていたのですが、なんとなく振り出た結果に納得行ってないみたいな論調もあって、どうにもなぁと思うところはありました。
新聞等の大見出しで特に目立っていたのは、「安倍1強」という言葉で、全般に皮肉る感じで使われているようで、初めは僕もこれを今日の書の題として借りようかと思ったところもあったのですが、何となく書きづらい部分があって、と言うのもこの「1強」の「1」の字なのですが、どこを見ても漢数字の「一」ではなく、アラビア数字の「1」を使っていたので、これはどうにも何かしら足並みを揃えた空気も感じて、裏に意図するものでもあるのかと思い、ならば僕も書くとしたら同じく数字の「1」を用いなくてはならないかなと考えるところもあって、そうすると今度は毛筆で数字を書かなくてはならない、という新たな問題が生じることになって、この普通の数字というのを筆で書くということはこれまでほとんど経験がなかったので、どのように書けばそれっぽく書けるだろうと考え始めた途端、どうにも書く気が失せて来て、ならもういっそのことこのナイーブな字題にしなくとも、他の言葉を探せばいいのではないか、といったところに偶然的に目に入ったのが、この「支持政党なし」というワードでした。
わりと最近の選挙では、話題に上がるようになっていて、僕自身以前からその目論見などは耳にしていたのですが、今回東京都内で12万票超を比例代表票として獲得した、としてネットで話題になっていました。
軽くググってみたところ、どうも2013年に結党され、前回の衆議院議員総選挙から本格的に参戦していたようで、4年の歴史があって、現存する政党の中では意外と古株と呼べるかもしれません(笑)
その政策は特になく、いわゆるノンポリというか、支持者の意見を募って、それを国政に投げかける、その橋渡しというかパイプというか拡声器代わりとして機能したい、というのが活動動機であるようです。
ただひたすら闇雲に「アベ政治を許さない!」「安倍やめろ!」「独裁者◯ね」云々とTPOも公職選挙法も弁えずやたらめったら、おそらく寝言の中でも声を最大にして叫ぶことをその存在の第一義にしているような政党およびその支持者に比すると、非常におとなしい、まさに「サイレント・マイノリティー」とも呼ぶべき集団であると言えるかもしれません。
もちろんその党名の付け方に是非があることは理解しています。
比例代表の投票用紙に「支持政党なし」と書くと、この「支持政党なし」党に票が入る、という一種の罠で引っ掛けようとしているわけです。
しかも公式略称は「支持なし」にして、細かいところまで行き届いていて、感心しもするのですが、とにかく法の目をくぐる卑怯なやり方で票を得ようとしているのは確かでしょう。
言わば彼らのやり方は、「戦略的不投票」をそうとは知らせずに懐に入れようとする不届き千万な行いであって、いずれ何らかの方法で押さえ込まれても仕方ないようにも思えます。
しかし、何となく面白いのでそのまま放置しとこう、みたいな感じも一般大衆の間ではあるようです。
もしくは、全てを分かった上であえて「支持政党なし」あるいは「支持なし」と書いて票を投じるようなノリも多少生まれ出しているようで、その少数の気まぐれなお遊びが集まって、今回、社民党や日本のこころを大きく上回る数の得票となったのかもしれません。
それか単純に「俺は支持政党なんかないんだ」という気持ちでそう書き殴ったような人々も中にはいたかもしれませんが、とにかく前回の衆院選よりも「飛躍」を見せたというのは事実です。
僕は特にこの「支持政党なし」に賛同したり共感したりするわけではないですが、これも合法的なひとつの「戦略」として認める気持ちはあります。
少なくとも目玉となる党首の人気にあやかろうとしてくっ付いたり離れたり、その結果共倒れしたり、裏切り者の印象が付いたり、のけものフレンズで結託して、仲良く当選してまた当選させてあげて、みたいなどうにも節操のない感じよりは、個人的にはよっぽど筋は通ってるんじゃないか、筋を通さない、という方向で逆に筋が通っている、という風な感想もあって、必ずしも否定や批判する気分にはなりません。
ただ、いつの日か比例で1議席でも得る時が来て、その時この代表者がどのような顔をして議席に就くのかなという疑問もあります。
まぁでもそんなものを引け目に思うような人が議員になろうとするわけもないので、何食わぬ顔で、むしろ自分たちは「支持政党なし」という層からの「支持政党なし」という支持を得ているんだ、と言い聞かせて座っているような気もします(笑)
ともあれ、僕は今回、自分の投票用紙に「支持政党なし」と書くことはなかったので、代わりと言ってはなんですが、この場を借りて「支持政党なし」と筆書きすることにしました。←
意外とこう書いてみると、何かこう胸がスッとするような心持ちもあって、筆文字が似合う言葉だな、とも思えたことは、少し興味深いことでもありました。
ちなみにこの「支持政党なし」は英語だと"No Party to Support"となっているようで、日本語で書いたものより気持ち客観的にも見えるし、「現在ある政党の中に支持すべきものは一切ない」と積極的に否定する意思が強くなるように読まれ得るかと思われます。
仮に今後海外でも同様の趣向の政党が誕生すれば、面白い流れが出来るかもしれないし、なかなかシステム上難しい国も多いかもしれませんが、ひとまずこの日本の「支持政党なし」に関して海外の人の反応みたいなものもちょっと聞いてみたいような気もあります。
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